真室川町では令和4年度採用の地域おこし協力隊員を募集しています
真室川町は、令和4年度中に着任いただける隊員を2名募集しています。
募集する地域おこし協力隊員の活動タイプ(ミッション)は、以下の3つです。
1.食資源活用型=伝承野菜や山菜などの町の食資源を活かしたビジネスの創出を目指します
2.農林業研修生 =農家や農業法人、林業企業のもとで研修し、新規就農や農林業への就業を目指します
3.提案型=活動内容は隊員の提案しだい。ご自身の経験やスキルを活かしてプロジェクトを立ち上げます
本項では、この中の【1.食資源活用型】についてご紹介します。
なぜ「食資源活用型」なの!?
真室川町は伝承野菜や山菜、乾物や塩蔵品などの保存食文化と郷土料理、原木なめこ、蜂蜜、良食味米などの食資源に恵まれています。
伝承野菜は、自給用の野菜や豆、芋などを農家が自ら種取りし代々伝えてきたものです。長い年月を経るうちに真室川の気候風土に合うように、また農家さんの選抜により姿形や味が変化した、この土地にしかない野菜(在来種)です。江戸野菜や京野菜、加賀野菜などの伝統野菜が有名ですが、最上地域の在来種は自給用に栽培されてきたものがほとんどであるため「伝承野菜」と呼称しています。
最上8市町村のうち真室川町に最も多くの伝承野菜が残っていますが、最近(新型コロナ以前)は、その美味しさが都内等のシェフから認められプロ用食材として出荷されるようになった伝承野菜や、環境や食文化保全に熱心な都内の生協で取り扱ってくださる伝承野菜も出てきました。
ただ、伝承野菜は「自給用」として伝わってきたものですから、生産者数も栽培量も少ないという問題を抱えています。買いたいという需要があっても、売るだけの商品が準備できないことが少なくありません。農協のように作ったものは全て買い取ってくれるという仕組みもないため、生産者も簡単には増やすことができません。
また、ライフスタイルが変化していくなかで、家庭菜園を持って耕作する人が少なくなることも想像に難くありません。つまり、自給用としても伝承野菜が次世代に継承できるかは不透明ということです。豪雪が育んだ保存食文化や郷土料理も同様に、次世代への継承という問題を抱えています。
そして、真室川が抱える問題がもう一つ。
恵まれた食資源があるのに、そうしたものを味わえる飲食店がなく、特産品も少ないという点です。
町内の家庭では親しまれていても、町に縁のない方はどうしたって関心があっても触れられる機会がありません。
そこで、食資源を活かしたビジネスの創出により、「新しい経済循環」と「担い手の創出」そして「食資源や食文化の次世代への継承」の課題解決を目標とした「食資源型」の地域おこし協力隊員を募集します。
活動内容
食資源活用型の隊員には、飲食店・パン屋・菓子店・食品加工業などの開業や、農産物や特産品を扱う地域商社の立ち上げにチャレンジいただきます。
「いつか自分のお店を持ちたい」といった夢を持たれている方、その夢の実現に向けて情報収集や修行をされてきた方も是非ご検討ください。
真室川町の地域おこし協力隊であれば、3年の任期期間中に自分のビジネスの成功確率を上げるための試行錯誤ができるほか、任期満了の前後1年間に該当者に給付される起業支援金(上限100万円※令和3年度現在)を立ち上げ資金に充てることもできます。
1年目の活動内容
何も知らない土地で急にお店やビジネスを立ち上げるといっても難しいですよね。
ご自身のチャレンジしたいビジネスを明確にお持ちの方であれば、1年目からその実現に向けた活動に挑戦していただくことも可能ですが、町の食資源やビジネス環境を理解していただくためにも、最初の1年は「学びの期間」として町の先輩の活動に参加するのはいかがでしょうか?
たとえば、元協力隊員が挑戦する「おはぎ店」の立ち上げに参加するとか、町の菓子店が検討している新商品開発に参加するなど。
どんなビジネスを展開したいのか、開業したいのかそれとも従業したいのかなど、隊員の考えや希望を踏まえて活動先をコーディネートいたします。
先輩たちについて活動することで、きっと人の繋がりや食材との出会いがより豊かになり、真室川でのビジネスのイメージが描きやすくなるのではないかと思います。
2年目以降の活動例
「食資源活用型」の地域おこし協力隊員が必ず自分のお店や会社を立ち上げないといけないわけではありません。1年目で出会った先輩たちの活動のなかで自分にあっていると思えるものがあれば、受け入れ先との調整が必要ですが、協力隊の任期2年目や3年目、そして任期終了後も就職するなどして引き続き活動に従事していただくことも可能です。
しかし、ご自身が目指したいビジネスイメージをお持ちの方は、その実現に向けた活動にぜひチャレンジしてください!
たとえば、2年目は「ビジネス開発期間」として、1年目に学んだことを活かしご自身のビジネスモデルの検討を行うのはいかがでしょうか。飲食店などの開業を目指すのであれば、たとえば、事業企画/レシピ探究/試作/アンケート調査などができるでしょう。
そして、協力隊員としての最終年の3年目を「ビジネス検証期間」として、独立後の成功確率を高めるための試行錯誤を行い、2年目に構築したビジネスモデルの最適化を目指すという時間の使い方もできます。飲食店開業を目指すのであれば、イベントなどでの臨時出店による市場調査(事業検証)/起業・開業準備/起業・開業なども可能です。
受入れ先/活動拠点について
本募集型で採用された地域おこし協力隊員は、町の会計年度任用職員として採用されますが、活動の拠点は町内の食関連ビジネスを展開する事業所に置くこともできます。
たとえば、上記にも記載した元協力隊員が挑戦する「おはぎ店」も受け入れ先の候補のひとつです。
この元協力隊員とは、一般社団法人雪と暮らし舎の代表理事、佐藤萌以(めい)さんです。
佐藤萌以さん
真室川町生まれ/隣町の新庄市育ち
20代前半はデザイナーとして活躍
結婚後真室川町に移住し、地域おこし協力隊員着任
令和3年3月の任期満了後に個人事業主として独立
令和4年2月に一般社団法人雪と暮らし舎を設立し、代表理事に就任
佐藤さんは地域おこし協力隊員時代に、主にこんな活躍をされました。
- 伝承野菜の普及拡大(リーフレットの作成/イベント出展など)
- 伝承野菜の利用拡大(県内のジェラート店や漬物屋さんとのコラボ商品の企画など)
- 伝承野菜の首都圏等への販路づくり(都内生協に出荷など)
- 6次産業化支援(農家さんの製造商品のパッケージデザイン/商品企画など)
立ち上げた一般社団法人雪と暮らし舎では、佐藤さんは以下の業務を担当されています。
- おはぎ店の開業および運営
- 伝承野菜の卸販売
- 真室川とその近隣の農産物等のネット販売
- デザイン
取材で訪ねた際は、事務所や菓子製造所、店舗用に借りた空き家をリノベーションされている最中でした。
佐藤萌以さんがどのような想いで活動されているのか伺ってきました
こんな方を募集しています!
動画でも佐藤さんが「こんな方に来て欲しい」と話されていましたが、たとえば次のどれかひとつでも当てはまる方だと地域おこし協力隊員としての活動が有意義なものになりそうです。
求める人物像
- 調理師や栄養士等の食に関する資格免許をお持ちの方
- 飲食店やカフェ、菓子店、パン屋、農産加工業、地域商社などの食ビジネスの起業・開業を目指している方
- 食文化の継承、持続可能な食のエコシステム創造に関心のある方
- 地域で継承されてきた資源や文化に共感し、新しい視点や方法による次世代への継承や発信に意欲的な方
- 伝承野菜の継承や利活用に興味がある方
- 農家さんと関わりながら活動できる方
任期終了後のキャリア例
地域おこし協力隊員としての活動内容も、ご自身の関心や経験、キャリアイメージなどをお聞きしながら一緒に考えていきたいと考えています。(具体的なキャリアイメージを持っていなくても大丈夫です)
佐藤萌以さんも、地域おこし協力隊として活動する過程で農業生産者らと交流するうちに、自分の進む道を思い描くようになったそうです。新しい協力隊員の皆さんにも、真室川の現状に応じて任期後のキャリアイメージを設計していってもらえればと思います。もちろん、ご自身が思い描いた夢にこだわるのもいいでしょう。
たとえばこんなキャリアが実現できるかもしれません。
- 沢胡桃や伝承野菜などの地域食材を用いた「おはぎ店」の運営、経営
- 飲食店やカフェ、菓子店、パン屋、その他食品製造業の経営
- 食の提供を伴う農家民宿やゲストハウスの運営
- 町や周辺地域の農産物、農産加工品、加工食品、バイオマス燃料等を商う地域商社の経営
募集概要(真室川町公式HPより)
この募集概要は、食資源活用型だけでなく、農林業研修生型や提案型とも共通した概要となります。
雇用関係の有無 | あり |
雇用形態・期間 | 地方公務員法に基づく真室川町の会計年度任用職員として、真室川町長が任用します。 任用期間:着任日から令和5年3月31日まで ※着任日から1か月間は条件付き採用期間となります。 ※双方の希望が一致した時のみ1年間ずつ契約を更新し、最長で令和7年3月31日まで更新することができます (令和4年4月着任の場合)。 |
募集対象 | 1. 都市地域等(※1)から真室川町に住所を移し、居住できる方 2. 心身ともに健康で、積極的に関係者や地域住民と協力しながら活動に取り組める方 3. 1~3年の任期終了後も協力隊任期中の活動に継続して従事したり、協力隊での経験を活かした職業や生業に就くなどして、町に定住する意向・意欲をお持ちの方 4. 普通自動車運転免許を取得している方、もしくは着任後遅滞なく取得できる方 5. パソコンの操作ができる方(ワード、エクセルなど) 6. 地方公務員法第16条に規定する欠格条項に該当しない方 7. 上記のほか、活動タイプにより個別要件があります ※1 国が定める地域おこし協力隊推進要綱において、特別交付税措置の対象となる地域要件に該当する地域を指します。 |
募集人数 | 2名程度 |
勤務地 | 真室川町内 ※町外、県外への出張もあります。 |
勤務時間 | (勤務日)月曜日から金曜日の週5日勤務 (勤務時間)8時30分から17時00分までの1日7時間30分 ※ただし、その時々の業務内容により勤務日や時間を変更する場合があります。また、休日に勤務する場合があり、 その場合は代休対応とします。 |
給与・賃金等 | 月額200,000円(令和3年度実績/社会保険料などの本人負担分が控除されます) 賞与なし 副業可(ただし、任期終了後の起業やキャリア形成に活かせると判断できるものに限る) |
待遇・福利厚生 | ●社会保険等(厚生年金、健康保険、雇用保険)に加入します ●有給休暇あり、通勤手当あり(真室川町会計年度任用職員等の任用勤務条件等に関する規則に準じます) ●活動期間中の住居の賃借料は町が負担します(上限あり) ●活動に使用する車両は町が準備します ●応募、転居などに伴う経費については応募者の負担となります |
応募方法 | ●応募書類(応募用紙、志望動機書、提案型でのエントリーの場合は提案書)をメールまたは郵送でお送りください。 ●応募用紙は本ページ下部よりダウンロード可。志望動機書および提案書は任意書式可。 ●応募期限:令和4年6月22日(水) ●※応募書類必着応募先:真室川町企画課 政策推進係地域おこし協力隊担当宛て (郵送)〒999-5312 山形県最上郡真室川町大字新町124-4 (メール)問合せ先メールアドレスにお送りください |
選考の流れ | 1. 一次選考(書類選考) ※応募期限を待たずに選考結果を通知する場合があります 2. 二次選考(町内視察・グループワーク・個別面接) 令和4年7月上旬 ※真室川町内で実施 3. 二次選考の選考結果は選考後数日中に文書で通知します |
選考基準 | 活動タイプ別の募集要件(求める人物像など)のほか、次の項目についても評価します。 ●自分の将来ビジョンを持ち(あるいは持とうとし)、実現しようとしているか ●周囲との円滑なコミュニケーションを心がけているか ●自分の考えや意見を言葉として伝える力を持っているか ●仕事の広がりや地域への影響、任期後の展開などを想像し、実施する事業を企画する能力を持っているか ●任務を達成するうえで必要な能力や人脈、情熱を有しているか ●地域で継承されてきた資源や文化に関心とリスペクトを持ち、次世代への継承や、地域外への発信に意欲的な方 |
応募書類のダウンロードは真室川町公式ホームページより行ってください。
エントリーを検討するためにより多くの情報を収集されたい場合は、以下のリンク先もご参考ください。
- JOIN募集ページ(食資源活用型) https://www.iju-join.jp/cgi-bin/recruit.php/9/detail/50060
- JOIN募集ページ(農林業研修型) https://www.iju-join.jp/cgi-bin/recruit.php/9/detail/50141
- JOIN募集ページ(提案型) https://www.iju-join.jp/cgi-bin/recruit.php/9/detail/50164
- やまがた暮らし情報館 https://yamagata-iju.jp/pref/mogami/mamurogawa.html
- 真室川おこし隊FBページ https://www.facebook.com/grottoofgod/
この地域の住民が想いを込めて選抜し守り伝えてきた野菜の種や、巡る季節ごとに自然から糧を得て保存食に換えてきた雪国の暮らしの知恵や食文化。真室川らしさを形成するこうしたものを次世代にも伝えていきたい。そうした想いも共有しながら、共に活動していただける仲間を募集しています。
分からないことや気になること等、興味があるというだけでも、気軽にお知らせください。小さな相談事や書類の書き方などでもお手伝いいたします。
動画制作 家崎耕平
テキスト 梶村勢至