【移住者インタビュー】カバン1つで飛び込んで、キャリアアップを目指す働き方。
2023年9月に岡山県から真室川町に移住された中西慶宗さんに、移住のこと、お仕事のこと、暮らしのことをお聞きしました。
移住のいきさつ
はじめての冬
- 移住されてから半年が経ちました。初めて過ごした冬はどうだったのでしょうか?
「寒いです。雪、積もりすぎて車は動かないし、わだちが怖いです」
しっかり除雪された道だとわだちはありませんが、雪が降り続けたりドカ雪が降るとわだちができることがあります。わだちのできた雪道で運転すると、ハンドルを取られてヒヤっとすることも少なくありません。
「何回か車が一回転しました。スピード出せないし、神経使いますね」
地元の人でも雪道は怖いもの。アクセルもブレーキもなるべく踏まない慎重な運転が求められます。
「ご安全に!」という言葉をかけあってインタビューを始めました。
移住のいきさつと求職活動
- 真室川に移住されたいきさつを教えてください。
「もともと旅行が好きで、岡山を出て違う県に行きたいっていう想いがありました。真室川には知人がいたので、しばらくお世話になりながら職探しをするつもりで移住してきました」
中西さんは最初は山形市内のハローワークで仕事を探していたそうですが、希望のものがなかなか見つからずに新庄市のハローワークでも探すようになったとのこと。2度目に訪ねた新庄のハローワークで現在お勤めの株式会社メタルプロダクツに決めたそうです。同社は、真室川町で操業する軽量鉄骨造メーカーです。
- メタルプロダクツに決めたポイントはどこにあったのでしょうか?
「岡山から来て家がなかったので、寮があるところが前提でした。ものづくりの仕事で、寮があって、お金も稼げるっていうのが条件でした。自分が求めていたのがちょうどぴったりだったので、ここにしました」
「寮には全部揃っているので移住されてきた方にも働きやすい職場です」と中西さんは教えてくれました。カバン1つで寮に入り、普通に生活することができたそうです。
「ものづくりが好きな人だったら仕事を楽しめるんじゃないかなぁと思います」
仕事と会社のこと
仕事のことと、スキルアップへのモチベーション
現在中西さんが従事されている溶接や塗装の仕事は未経験で始めたそうです。
- 初めての仕事に心理的なハードルはなかったのでしょうか?
「初めてなので、ちょっと楽しみでしたね。溶接は楽しそうだなって思いました」と答えてくれた中西さんにその理由をたずねると、鉄がなんでもくっつくところが面白そうだし、個人的に趣味で色々作りたいと思ったのだと教えてくれました。
まさかまだ作ってないだろうなと思いながら尋ねてみたところ、「工場で出る小さな端材を適当にくっつけて塗装して、ランプシェードを作りました」と中西さん。スキルアップのモチベーションにも繋がっているようです。
会社のいいところ
会社の特徴や雰囲気についても訊いてみました。
「会社の方針として言われているのは、良い製品を作れば製品の価値が上がり、価値が上がれば売り上げにつながる。売り上げが上がれば給料も上がって、社員満足度が上がれば、更に良い製品づくりができるってことです。そういう良いサイクルを作りたいから品質向上していこうって言っています」
そういうことは社員間に共有されているのでしょうかとの質問には、「定期的に社員全員が集まるミーティングで、今の会社の状況や今後の改善点、他の会社と比べてどういう状況なのかも含めて共有してもらっています」と答えてくれました。
ただコツコツ目の前の作業をこなしているだけじゃなく、会社の一員としてチームで仕事をしている感覚があるそうです。
真室川町での生活について
真室川のいいところ
移住する前にも真室川に来たことがあるという中西さんに、その頃の真室川の印象を尋ねました。
「遊びで来たことはあったのですけど、自然が綺麗というイメージですね。山のあいだに田んぼがある田園風景というか。建物も西日本と違うので新鮮味がありましたね」
では、移住して半年たった今はどのように感じてくださっているのでしょうか?
「温泉がすごい近くにあって安いんで、通えるのがデカイですよね。源泉で400円とか岡山の方にはなかったので、真室川に来て温泉巡りが趣味になりました」
中西さんのお住いの寮から「まむろ川温泉梅里苑」までの距離はおよそ2.5km。塩味が強く温まるナトリウム塩化物泉と、浴室からの眺望が人気の温泉ですが、既に常連の中西さんは多い時には週に5回も通うほどだとか!山形や隣県の秋田には魅力的な温泉が沢山あるので、温泉が趣味という人は結構多いようですよ。
日常の不満
逆に真室川のネガティブな部分も聞いてみました。県庁所在地の岡山から移住してこられて不便ではないのでしょうか?
「スーパーは揃っていて大体の買い物はそこで済むので、雪道が怖くて交通の便が悪い以外は特に不便は感じません」と、意外な答えが返ってきました。スーパーが2店舗、ドラッグストアも2店舗あって、日常の買い物には困っていないそうです。「でも」と続けて、次のような不満を話してくださいました。
「若い人が少ないですね。新しい出会いも少ないので、もうちょっと同世代と交流できる場所があったらなとは思いますね」
「どんなところがあるといいですか?」との質問には、「バーみたいなのがあれば」と答えてくれた中西さん。カラオケのできるスナックは何軒かありますが、会話やお酒をゆっくり愉しめるお店、真室川にもあるといいですよね..
スナックにはまだ訪ねたことがなかったそうですが、元々関心があったそうで「今度挑戦してみます」と話してくれた中西さん。同世代との新しい交流が生まれますように。
これからとアドバイス
今後のキャリアについて
鉄工所で働く中西さんに、今後どのようにキャリアを築いていきたいか尋ねてみました。
「今は加工の現場の方で作業しているのですが、いずれは製図の方、CAD(キャド:設計図をもとに加工の基となる図面を作成するソフト)を扱う現寸部の方に行きたいと思っています」
中西さんは元々CADオペーレーターを希望して入社されたそうですが、「製品がどんなものか見るために現場に配属されています。1年ほど工場で働いてから現寸部に移る予定」なのだそうです。
そのため、部品がどのように付くのかなど実際に現場で見ることができるので、覚えることが沢山あるとのこと。そうやって自分の中でステップが見える働き方について、中西さんは「励みになります」とうなずいて見せてくれました。
仕事のやりがいについて
将来のキャリアアップを目指して仕事をされているとのことでしたが、日々の業務はやりがいを感じながらできているのでしょうか?
「初めての仕事で最初は全然わからなかったんですけど、だんだん仕事を覚えてきたなと感じています。仕事を任されるようになって、ちょっとは上手くなったなとか、信頼してもらえるようになったなって達成感があります」
「成長しているのが割と実感できるから楽しいです」とも中西さんは答えてくれました。充実した仕事ができていることが伝わってきて、聞いてるこちらまで嬉しくなってきます。
移住する方へのアドバイス
最後に、これから真室川に移住しようとしている人、もしくはメタルプロダクツに転職してこようとしている人へのアドバイスをお聞きしました。
「気持ちだけあれば(この会社には)全部揃っているので。寮があって仕事があって、生活もできるので、あれこれ用意しなくても来てすぐ働けると思います」
その他、寮住まいの同僚たちとは、仕事終わりに集まって一緒に料理したり、お酒を飲んだり、ゲームをすることもあると教えてくださいました。「お酒飲まない人も集まって、楽しいですよ」と中西さん。
将来のキャリアアップを目指しながら働き、気が置けない仲間と楽しく寮生活を過ごされていることを知りました。これからも、スキルアップとキャリアアップを実現しながら充実した暮らしをこしらえていって欲しいと思います。
中西さんがお勤めの株式会社メタルプロダクツは、山形県移住支援金対象求人サイトの登録企業です。
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