真室川での2度目の冬を迎えた地域おこし協力隊の家崎さん。
雪道を歩いていたところ、かなりの勢いで転倒してしまったことがあるそうです。
幸いにもケガはなかったようですが、抱えていたカバンの中にもだいぶ雪が入ってしまい、その後が大変だったとか。
雪道に慣れているはずの地元の人でも転んでしまうことがあるようで、私もこの冬、腰の高さまで両足があがりお尻から地面に叩きつけられた男性を目撃したことがあります…
雪道って、おっかない…慣れたと思ったときが一番危ないかも…
雪国の人たちは雪道をどうやって歩いているのだろう?どういうところを気を付けているのだろう?
気になって家崎さんと一緒に、町の人に雪道の滑らない歩き方を教わってきました。
雪道の滑らない歩き方
今回教えていただいたのは、町役場からもほど近い織田家具店のご夫婦、織田吉昭さんと直子さんです。
商店街を歩いていると、明け方に除雪車が置いていった雪を片付けているお二人に出会いました。開店準備でお忙しくされているさなかでしたが、雪道の歩き方を教えてほしいという私たちのお願いを快く引き受けてくださいました。
織田さん、雪道はどうやって歩けばいいんですか?
家具職人の織田吉昭さんが教えてくださったコツはシンプルに2つ。
- 雪を噛むように着地する
- 小さな歩幅で、しっかりと踏みしめる
それから、「凍ったの雪の上に新雪がさらっと積もっている状態」は滑りやすいとも教えてくださいました。
歩くときに尚更注意をする必要がありそうです。
お二人に教えてもらっている様子は動画でもご確認いただけます。
雪を噛むように接地する
動画の中でも説明されていましたが、足の裏をしっかりと雪に食い込ませることで足が滑りだすのを防ぎます。
雪道で転んでしまう原因のひとつは、足が滑ることで身体の重心がズレ、バランスが崩れてしまうこと。足の裏全体が着地することを意識して歩くと、後ろ足から前足に体重移動する際も重心が常に腰のあたりにあるように感じます。重心がズレないからバランスが取れ、滑りにくくなるのかもしれません。
小さな歩幅で、しっかりと踏みしめる
着地を意識しつつ小さな歩幅で歩くと、足の裏全体を使って重心の移動を支えることができるようです。
また、歩幅を大きくとって歩くのと比べると、股や膝の関節が伸び切らず、ゆとりがあるようです。関節をばねのように柔軟にしならせることで、重心を体幹から外さないように作用しているのかもしれません。
小さな歩幅でしっかり踏みしめて歩くとどうしても移動に時間がかかってしまいそうですが、雪道を歩く場合は気持ちや時間に余裕をもって行動することが大事なのかもしれませんね。
反面教師としての滑ったときの状況
家崎さんから滑ったときの話を聞くと、こんな状況だったようです。
1.慌てていて大股だった
2.ゆるい下り坂で、しっかり踏みしめていなかった
3.足の着地の瞬間を意識していなかった(普段通りの歩き方だった)
4.肩から掛けた荷物を片手で押さえていた
織田さんから教わった後だと転んでしまうイメージしかありませんね…(汗)
4番の、荷物を片手で押さえていた点については、腕の自由が利かなくなることで重心のバランスがより取りにくい状態だったことが想像できます。
次の冬はきっと、織田さんのおかげでもっと安全に歩けるようになっているはずですね!
一歩ずつゆっくりしっかり歩くようにしてみてください。
その他の雪道で滑らないための歩き方のコツ
その他に注意できることはないだろうか?とインターネットで調べたり、梶村の経験から考えられる内容を書いてみます。
靴の選び方
靴底が柔らかめの素材で溝の深いもの選ぶようにしましょう。
溝がほとんどなくなってしまった古い靴や、ソール(靴底)が堅く足のホールド力が弱い革靴は非常に滑りやすく危険です。
また、溝があったとしても、材質的に硬かったり、劣化して弾力性がなくなってしまった靴底も、氷雪への接地力が弱く危険です。
雪道での滑りや防水、防寒性能の高いスノーブーツや長靴だと安心です。
ただし長靴でも、靴底の状態によっては雪の上を歩くのに適していないものがあります。雪道に適したものを選びましょう。
ホームセンターなどに行くと、防寒防水を謳っているものやゴム長靴、スパイク付きの長靴などが売られています。
スパイク付きの長靴や雪靴は雪上を歩く際は心強い一方で、屋内を歩くときには絨毯をひっかけたり床材を傷つけてしまうことがあるほか、タイルなどの堅い材質の上をあるく際は逆に滑りやすくなる場合もあります。歩く場所に合わせて履物を選ぶようにしましょう。
心配な方は、購入する際にお店の人に相談してみてくださいね。
足元を確認しながら歩く
自分が歩く足元をしっかり確認しながら歩くようにしましょう。
普段は、ふかふかした柔らかそうな雪の上を歩いていれば、あまり滑ることはないと思われます。
足元を確認しながら歩いていると、ツルツルに滑りそうな雪は見ただけで分かるようになります。特に夜間は分かりやすく、月光や電灯が反射して鈍く光りますので、どうしても歩かなければならないときは気を引き締めるようにします。
ただ、動画でも話がでましたが、そうしたツルツルに固まっている氷の上に、雪がさらっと降ってツルツル面が隠されているときは要注意です。
特に、雪が融けたり固まったりしやすい場所(往来の多いところ)や気温の変化が大きいときは、転倒の危険性も上がりますので、滑りにくい歩き方を意識しましょう。
すり足歩きと前傾姿勢での歩き方
雪を噛むように着地し、歩幅を小さくしっかりと歩く以外に、すり足のような歩き方もよく推奨されています。これらは、雪の積もり具合や、固まり具合によって使い分ける必要があります。(たとえば、すり足のように足を大きく上げない歩き方は、雪が厚く積もっている場所には適しません)
それから、やや前傾姿勢で歩くと重心移動がスムーズに行われるので、尻もち転倒を避けられるという説明もたびたび見ます。ただ、雪を噛むように着地を意識して歩幅を狭くしながら歩くと、自然とこころもち前傾姿勢になります。前者ができているのであれば、あまり意識しなくてもいいのかもしれません。
その他、荷物をもつ場合はリュックサックなどを用いて、両手はフリーにしておきましょう。肩掛け鞄や手提げ鞄、傘などで手が塞がっているとバランスを取りにくくなってしまいます。
織田家具さんのご紹介
織田家具店さんは、1926年から続く家具屋さんです。
初代・二代目・三代目と、「吉」の文字をもつ方が守り続けてきたことに由来して、【kichi吉kichi】(きち)というブランドを立ち上げ、地元の木材などを使った手作り木製品を吉昭さんが製造し店頭でも販売されています。真室川に訪れる度に買い物をしに立ち寄られるファンもいらっしゃるそうです。
織田家具店さんが扱われている家具は、生活する人たちの成長や生活の変化にあわせて、育てるように修繕・メンテナンスしながら長く使えるものだそうです。オイルやミツロウで仕上げられたものが多く、使っている人が自分で手入れができるようにしているとのこと。たとえ傷がついたり、色が変わっても、自分たちで手入れをすることで、家族の成長や歴史を見守るように居続けてくれる家具になるのかもしれません。次の世代にも安心して継いでもらえる本物の家具が揃っています。
その他、乳幼児向けのカトラリーや雑貨、センスのよい日用雑貨や食器など、暮らしに彩りを加える小物も販売されています。
真室川町にお越しの際は、真室川駅すぐ近くの織田家具さんにもぜひ足を運んでみてください。
いかがでしたか?これで雪道でも安全に歩けそうですか?
ぜひ真室川の雪道も歩きに来てくださいね!!
テキスト・動画制作 家崎耕平
編集 梶村勢至