喜久子ばーちゃんに教わる、身体も心も喜ぶぼた餅づくり!若者タウンミーティング第4回を開催

喜久子ばーちゃんに教わる、身体も心も喜ぶぼた餅づくり!

2月27日(日曜日)に令和3年度で2回目の「まむろがわ若者・移住者交流会」を開催しました。
この交流会は、若者のコミュニティづくりを目標に実施している「若者タウンミーティング」の4回目として開催しました。

ちなみに、10月17日(日曜日)に開催した「まむろがわ若者・移住者交流会」では、山形の郷土料理でもある「芋煮づくり体験」を行っています。

目次

若者タウンミーティングとは

真室川町内に在住または勤務する若者を対象としたプロジェクトで、住みやすい町づくりをめざした作戦会議やイベントを開催しています。まだまだ小さな輪ですが、ここから若者のコミュニティが誕生して様々な活動の芽が生まれたり、さらに仲間を呼び込む魅力的な活動に発展して欲しいと願い、余白の多い緩い会を目指しています。

真室川で初めて若者タウンミーティングを開催したのは2018年2月のことで、当時地域おこし協力隊員だった梶村の企画により実施しました。
とにかく元気で町づくりや地域活動に積極的に関わっている60代70代の先輩方に比べ、若者の姿がほとんど見えないことから、若者にも町づくりに関心を持ってもらおうとこんな内容で開催しました。

  • 真室川の人口減少の現状を知る講座(統計データを用いて)
  • 町長との対話(トークセッションと質疑応答)
  • 町の未来を考えるワークショップ

また2020年(令和2年度)には、全5回のワークショップにより町の移住定住施策を企画立案し、町に対して提言する「若者元気みらいワークショップ」を開催しています。今後も若者タウンミーティングは、自分たちが住む地域をより良いものに変えていくために最初の一歩を踏み出す機会でありたいと考えています。

第3回タウンミーティング(作戦会議)で考えていた体験メニュー

この日の天候はあいにくのみぞれ混じりの雨。短い時間に春と冬が行きつ戻りつする一日でした。

第3回タウンミーティングに集まった皆さんと考えた体験メニューは、3つのアクティビティでした。

  • 固雪渡り≪かたゆきわたり≫ 
  • 雪板 
  • ぼた餅づくり

しかし、天候のこともあって実現したのは「ぼた餅づくり体験」だけでした。その分、じっくりぼた餅の魅力を味わえたので、これもこれでよかったのかなと思います。

せっかくなので、みんなでやろうとしていた遊びを紹介しますね!

固雪渡り≪かたゆきわたり≫

固雪渡りとは、2月の中旬から下旬の早朝だけにできる遊びで、夜のうちに表面が固く締まった雪の上を散策するもの。太陽が昇り始めて気温が高くなるとゆるんだ雪に足がとられてしまうため、スタートは必然的に早朝となります。

固雪渡りで面白いのは、雪のない時期には歩いていけない川べりや、普段は足を踏み入れられないよその人の田んぼなど、どこまでもどこまでも歩いていける感覚になること。
(他所の人の田んぼなどを歩くときには、もちろん、その持ち主さんの許可を取っておくと安心ですね)

白銀のふわふわ、ネコヤナギ

この時期は晴天となることが多く、その分夜は放射冷却が進み気温がぐんと低くなります。
また地面や川の水との温度差も激しいことから朝靄も発生しやすくなります。「シャリシャリ」という足音を楽しみながら、どこまでも続く雪景色のなかを歩き、いつも暮らしている身近な場所のいつもと違う風景が楽しめる固雪渡り。

足元に目を移すと、自然界には間違いなく春の訪れが始まっていて、川べりのネコヤナギは花穂を膨らませ始めています。この銀色に輝く花穂が早朝の陽ざしを浴びてキラキラ輝くのを見ることで、春の訪れを感じるという方も。

いつもは入れない田んぼも、雪が積もってしまえば大きな大きなフィールドに変わります!
そこから見る風景はいつも見慣れている景色とは少し違っていて、待ちに待った春への期待とあいまって、自分たちが暮らす土地がとても新鮮に感じられるのです。

雪板

雪板(ゆきいた)は、足を固定しないスノーボードのようなアクティビティで、より気楽に雪を楽しめるのが魅力です。

専用の板さえあればどこでも滑ることができる手軽さから、じわりじわりと人気が広がっています。スキーやスノーボードは圧雪してある場所の方が滑りやすいのに対して、エッジのない雪板の場合はフワフワの雪の方がコントロールしやすく面白いのが特徴です。そのため、雪板とスノーシューさえあれば近所の山などですぐに遊ぶことができます。

梶村の雪板スタイル!

また、雪板そのものを自作することも魅力のひとつ。自分で木を曲げたり削るところからはじめてもいいですし、もっと気軽に山形県内などの工房でシェイプされた板を買ってきて、自分の好きな布を貼ったりペイントするところからはじめても十分に楽しめます。世界で一枚だけのオリジナルデザインの雪板は、きっと貴方の知らない雪の世界に導いてくれることでしょう!

梶村も2020年の12月に初めて雪板をつくり、それ以来その魅力に取りつかれています。町内の秋山スキー場の未圧雪ゾーンやワラビ園で滑っているほか、県内にいくつかあるスポットに出かけては楽しんでいます。

興味があるよという方は、ぜひ一緒に滑りましょう。ご案内も承ります。

さて、この日は、雪板が初めて!という方ばかりでした。「人生初の横乗り体験!」と楽しみにしてくださっている参加者もいましたが、あいにくの雨に断念せざるを得ませんでした……。来シーズンにはきっと実現したいですね!

ぼた餅づくり

ぼた餅づくりが今回のメインイベントでした!

ぼた餅づくりの講師を務めてくださったのは、町の移住者向けリーフレット「雪国暮らし辞典2」で紹介させていただいた高橋喜久子さん。

お料理名人の喜久子さんの胡桃餡のぼた餅は、お皿に盛られるまでの手間と時間を知ったうえで味わうと、その美味しさがさらに深まる不思議なぼた餅。

その詳細は、また別のページでご案内するとして、今回のぼた餅づくりは、沢胡桃の殻を割るところから始まります。

喜久子さんの胡桃餡のぼた餅と、伝承野菜のささぎを使った案のぼた餅
余談ですが

元地域おこし協力隊員の佐藤萌以さんは、この胡桃餡のぼた餅に出会ったことをきっかけにして、真室川の地域食材の魅力を後世にも伝えたいと「ぼた餅屋さん」の開業を準備中です。開店したら、ぜひ味わいにお越しくださいね!

おいしーい!沢胡桃と伝承豆のぼた餅!

喜久子さんがつくる胡桃餡は、秋の彼岸の頃に鮭川の堤に自生する沢胡桃の木の下から胡桃の実を拾ってきて、時間をかけて天日で乾燥させ、乾煎りしてから殻を割り、クルミを取り出して、ようやく調理が始まります。その工程は本当に手間暇かけて行われていますが全てを体験することはできません。今回の交流会では、殻を割る直前まで喜久子さんに準備していただき、みんなでワイワイと殻を割る作業から始めました。

みんなでワイワイと話しながら作っていると、時間はあっという間!

殻を割ったら、金串でほじくってクルミを取り出す作業。
ひとりだと長くかかる作業も、大勢でやれば楽しくあっという間!

胡桃をすり鉢でゴリゴリゴリ

取り出したクルミはすり鉢にあてて、湿り気を帯びるまで練り、砂糖や醤油で調味します。ゴリゴリスリスリ。小さな子どもだってやってみたい?

緩めに炊いたモチ米は、粒感を残した半殺しに。トントントン。

ごはんも“はんごろし”までトントントン
ごはんができたらコロコロコロコロ

佐藤萌以さんがこしらえてきた、伝承豆の「七夕白ささぎ」の白餡と、「黒五葉豆」のきな粉でもぼた餅をつくりました!

お皿に盛った餅にゆるく伸ばした胡桃餡をたっぷりかけると、出来上がり!!

最後には、喜久子先生が盛り付け!

それではみんなで、「いただきまーす!」

みんなで食べると、もっともっと美味しい!
栗田侑奈さん(高校生)
栗田さん

作り方やあんこの種類で食感も味も違い、どれもすごく美味しかった!
特にくるみのぼた餅が美味しくて、家でも作ってみたいです!

新田寿昭さん(農業)

どれも、ほんて優しい味だやぁ!..優しいなぁ…ほんて!!
また、喜久子さんのお漬物が美味いから、無限ループしちゃうよね..

新田さん

喜久子さんがいつも言っていることは、「ただ美味しいものを食べたいだけ」。
自分の求める「美味しいもの」を食べるため、また人に食べさせるためには手間ひまを惜しんでいられないようです。自分の気持ちに真っすぐ向き合いながら作るからこそ、料理上手になっていくのかもしれませんね。

四季に応じて食材を調達し、保存加工して季節の折々に味わう。
そんな雪国の暮らしの知恵の一端を、今回のぼた餅づくりでも体験できたでしょうか。
若者タウンミーティングでは今後も、こうした地元の暮らしや文化、自然を楽しむアクティビティの体験を通してジモトのことを知りながら、真室川を楽しむ人の輪を広げていきたいと考えています。

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