梅子ばーちゃんと納豆汁と雪うるいと
3月13日のオンラインツアーの打ち合わせも兼ねて、梅子ばーちゃんこと、藤山梅子さんに会いにいってきました。
2月に入り、しばらくの間、春のような暖かな日が続いていましたが、この日は季節を逆戻しにしたかのようなあいにくの雪。山道を少し登って、梅子ばーちゃんの作業場に辿りつくと、ビニールハウスも作業小屋も雪に埋もれていました。
梅子ばーちゃん、こんにちは
梶村さん!よく来たね!
ここまで上がってくるの大変だったでしょう?
おとうさんが大きなトラクターで雪かきしてくれていたから大丈夫だったよ
へへへ
納豆汁のこと
今回、オンラインツアーで作る納豆汁について、色々聞いてみました。
みんな大好き納豆汁
郷土料理というからには、けっこうな割合で食卓にのぼるものだと思っていたのですが、実はそうでもなく、家族が集まるときなどに作る特別な料理だそう。納豆を細かく刻んだり、すり鉢ですりつぶす必要があるので時間がかかるのですが、家族みんなが好きな料理だから、頑張ってつくるんだって。あっという間に平らげてしまうんですって。
納豆汁の具材
郷土料理とは言え、それぞれの家庭によって微妙に味付けやレシピ、入れる具材は違うもの。
梅子ばーちゃんがご自宅でつくるときの具材をきいてみたら、山菜やキノコ類、豆腐はもちろん、ネギや三つ葉、芋がら、油揚げなどが挙がりました。他にも山菜のうどが入ると、うどの香りと納豆との相性が抜群で、さらにコクもでるのでおいしさが倍増するんだって。
タケノコをいれるのもおススメだそうです。
納豆汁あるある
納豆汁のおいしさは、どれだけ納豆をすりつぶせているかにかかっているそう。味にうるさい地元の方は、フードプロセッサーですりつぶしてつくった納豆汁も「手抜きだべ?」と言い当ててしまうそう!
でも大丈夫!今回は、皆さんに短時間でおいしい納豆汁を召し上がっていただきたいので、納豆がペースト状になっている納豆汁のもとをお送りします!
山菜の促成栽培
おとうさん、山菜ハウスも少し見せていただけますか?
うん、こっちだ
20年以上前に設置した薪ボイラーでわかしたお湯で加温しているハウスでは、雪うるいの収穫が真っ盛り!
ウドの芽も出始めているそうです。
遮光カバーをほんの少しだけ開けながら、いま真っ盛りという雪うるいを見せていただきました。
これ、食べてみれ
そういって、富二夫さんがその場で雪うるいを一本刈り取ってくださいました。
出荷するにはまだ早すぎる、しかし一番美味しいという小さな新芽です。
せっかくなので、遠慮なくいただいたところ、シャクシャクとした触感と、ほんのりとした甘みと瑞々しさを感じました。山菜というと、アクやクセの強い印象がありますが、雪うるいはそんなことも一切なく、いくらでも食べられそうでした。
そんな雪うるいですが、昨年に続いて今年も、外食産業からの需要減が響いて売り上げはかなり落ち込んでいるようです。それでも、心待ちにしてくれるファンに笑顔で食べてもらいたいと、梅子ばーちゃんも前向きにニコニコとひとつひとつ丁寧に梱包されていました。
「いつでもいいから送ってくれ」って送り伝票をよこす方もいっから
真室川町と山菜
梅子ばーちゃん達が作る、加温したビニールハウス内で栽培する促成山菜は、雪に閉ざされる冬期間も出稼ぎをしないで良いようにと始まった農業です。
一方で、森林面積が町の総面積の87%を越える真室川町は、雪にも恵まれ、昔から山菜の宝庫。今も天然の山菜を求めて深山に分け入る名人が活躍しています。(名人と行く山菜採りツアーも今後企画予定です)
山菜を採りに行く、保存食に加工する、食べるために水で戻したり塩抜きをする。
こうした山菜との向き合い方からも、雪国の暮らし文化の一旦を伺い知れますね。
真室川の山菜を使った納豆汁と、生で食べられる旬の山菜「雪うるい」。
この2品を通じて、皆さんと楽しい時間を一緒に過ごせることを楽しみにしています。
参加のお申込みをお待ちしています
参加申し込みはこちらから
参加申し込みは2月28日をもって締め切りました
テキスト・動画制作 家崎耕平
編集 梶村勢至